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夏と秋が混在して、良き吟行だったようです。

        十月吟行記  泉の森

                              小林たまご

十月七日、大和駅集合。昨日の大雨が上がり、参加者は二十二名である。
主宰の「よくみて作ること」のお言葉を肝に銘じる。

 プロムナードを通り「ふれあいの森」に入る。雨に濡れた木々、大輪の
朝顔の群れに、詩人の心になっていく。この森は夏から秋にかけた情景を
描いた絵が並んでいるようだ。

DSCF1070.jpg


     水源の森はしらかし小鳥来る     直子

さらに進むと高さ二十メートルにも及ぶ落葉高木の飯桐に球形の実が
ブドウの房のように集まり、赤く熟して高々と輝いている。

     曇天を飯桐の実の染めにけり     亘

しらかしの池に釣り糸をたらす人は、早朝より来て一日中いるという。

     静寂を浮子に集めて秋の昼      亘

                    DSCF1068.jpg


 活躍目覚ましい新人の句を二句
 
     花穂と花穂太き糸張り秋の蜘蛛    ひな子

     樹頭へと登りつめたり牽牛花     月夜

 
 森の木々は立ち位置を決めて動かない。

     木々の幹の苔美しや秋湿       真咲

     風爽かメタセコイアの道を往く    菜園

     隧道を木犀の香の吹きぬける     岳童

 
秋の野は花色多彩!

      コスモスに風の明るくなりにけり   梢

今どき銃砲店があることに驚き「よく見て」を忘れていた。

     秋冷や銃砲店の磿り硝子       青

水源の湧き出す様を見極めようと、柵を越え一歩踏み入れると
地獄の底へ引き込まれるように、ズブズブと足首まで埋もれ抜けない。
誰もいない。何とか全身の力ではい上がる。『反省!!』

 泉の森の「しらかしの家」が句会場だった。
自然にあふれた川沿いの快適な吟行だった。
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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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