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都市10周年記念俳句大会の特選句の自句自解  ②

2017/ 12/ 10
                 
     わしづかみして夏帽子ふりつづけ     渡辺 純

            (特別選者 星野佐紀氏 特選)


 昔「第三の男」という映画があった。たちつくす男の前を女が一瞥もせず、
素知らぬ顔をして通り過ぎるラストシーンが素晴しかった。

 生きていれば誰もが何度かの別離を体験するものだが、それが生別にせよ
死別にせよ別れとの対応は年代によって違ってくる。人目を憚らず泣くことの
出来た時代はもうはるかな昔になった。昨今は人前で悲しみをぶちまけるなどという
勇気が無くなっている。

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揚句は、常には情感を抑え、心を涸らして句を詠もうと心がけてはいるけれど、
時には思いきり泣けた時代に心を馳せ、羨み、今を焦りながらの句を詠んでみました。


    春霞追へば逃げると知りながら     打木 歩人

                  (特別選者 城中良氏 特選)
 

早朝散歩の実景。同時に携帯カメラで写真も撮っていたので、日時も場所も
ピンポイントで分かります。

2017年5月8日午前4字58分、つくば市上横場1861、地平線が見渡せる
お気に入りの場所です。
日の出直前の霞はまるで雲海のよう。
実際にその場所に行ったからとて霞に包まれるわけではない、
と頭でわかっているのだが、、、
帰宅後、なんか恋のようだな、とも思いましたが、

IMG_9469.jpg


この句は、当初意図したものではありません。
4月の中央句会は既に過ぎていたし、暦の上ではすでに夏。
どうしたものか、と思っていたのですが、今回十周年記念句会が
「四季雑詠」でしたので、こちらに出句させて頂いた次第です。


   山脈と空低くなり山法師     安達よつば
              
               (主宰 特選)


都市十周年記念俳句大会で、思いがけず主宰の特選を
戴き驚いています。喜びと戸惑いの中で表彰を受け、
特選を戴いた句は大切な記念となりました。

揚句は春に友人と、箱根に出掛けた時の句です。
バスで山道を登って行き、見上げていた山脈と空が、
高度が上るにつれ近づく実感を句にしました。
丁度山法師の花が満開で、可憐な白い花が旅の思い出に
なりました。

800px-Yamabousi_tubomieda.jpg


 海老名の初心者講座で、中西先生の御指導を受け四年が過ぎました。
勉強不足でまだ俳句の基礎も理解していませんが、
戴いたこの賞を励みに楽しみながら頑張って行きたいと
思います。
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