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皆さん我々は、成仏できますよ!なぜならば?

2010/ 05/ 22
                 
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虚子先生に御礼申し上げる。
  
    悴みて高虚子先生八十一 虚子
         (虚子慶弔贈答句)    山本 旦


「都市」の「現代俳句勉強会」で去年から学んできた
高浜虚子が間もなく終わる。

私は、2年あまり前に俳句を始めたばかりの
初心者である。

右も左もわからない私が、勇気付けられ有り難く
思ったのは、虚子先生の「俳諧須菩提経」
(はいかいすぼたきょう)である。

勉強会では、取り上げなかった「俳諧須菩提経」の
概要を紹介する。
  
「俳諧須菩提経」は、仮りにも十七字という
俳句に接したものは悉く成仏するという
意味である。

仏を信仰しなくっても、仏像にゆき会っただけでも、
仏の名前をきいただけでも、その人は仏に
縁故ができたのである。

すでにゆき逢っただけでも、名前をきいただけでも、
無縁の衆生ということは出来ない。

それと同じ事で、仮りにも俳句という名前を
きいたか、もしくは俳句というものを一句でも
二句でも見たか、そういう人はすでに俳句に対して
有縁の衆生である。           

 立派な俳句を作る人はもとより成仏する。

 立派な俳句を作らぬ人でもとにかく俳句を
 作った人なら成仏する。

 俳句はつくらないがしかし俳句を読んで
 楽しむ人ならこれまた成仏する。

 読んで楽しまなくっても唯俳句を読んだことの
 ある人も成仏する。

 読まなくても俳句というものに目を触れた人
 なら成仏する。

 また、俳句という名前だけに接しただけの人
 でもなお成仏する。 

成仏するというのは俳句に対して
有縁の衆生となるというのである。
「俳句への道」(高浜虚子著。岩波文庫)

なんとおおらかなお経であることか。

芭蕉のいうざれた心がある。
大人のおとぎ話のようでもある。

今の時代、せわしなく、いきりたつことが多い
私たちを和やかな気持ちにさせてくれる。
 
また、虚子先生は、俳句に自信のもてない初心者の私に
とって有り難いことを言っている。

即ち
「人はそれぞれ天分がある。その天分相当の
仕事をするより外に仕方がない。
だから俳句も上品(じょうぼん)上生(じょうしょう)の
人の俳句はそれなりに選抜して採る。

(注、上品は、仏教の専門語。極楽浄土を
上・中・下に三分したその最上位。
さらに上品上生・上品中生・上品下生に区分する)

以下下品下生に至るまで、九品の仏のそれぞれの俳句は、
それぞれの天分に従って採る。」 
「俳句への道」

そうだ虚子先生は、初心者を励ましてくれているのだ。
位を気にせず、己の天分に従って詠んでいれば成仏できる。 

私は、「俳諧須菩提経」の信者になった。虚子先生有り難う。

     水仙や成仏願ひ下品の句    山本 旦
                   
                               平成22年5月
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