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今回も素晴らしい新人の紹介です。
2019/ 08/ 27 都市の一句
田中 聖羅
入学や自立の朝のカップ麺 山下 文
「都市」の会員になられて一年、「歩み句会」在籍の山下文(あや)さんの
近作である。
折しも「都市」8月号誌上にて、中西主宰の選評を得られた句でもある。
「入学や」で切り「自立の朝」と展開し、着地の「カップ麺」が嫌味なく
響いていて歯切れのよい一句となっている。

掲句の自立の主人公は、お孫さんである。大学に入られ、
寮生活に入られたのだ。
今日から自立だと意気込み、朝食にカップ麺を自分で作ったのだろう。
背後に家族が見守っている。いよいよ出発という朝の光景を切り取り、
まさに「今」を詠まれている。
若い人の出発を見守る心の幅というか、奥行きが感じられるし、
ちょっと面白がって
いる視点や距離感も感じられ、なかなかなのである。
なにより、この光景を俳句にしてみせた・・・ことに感嘆した。
文さんは、そのお人柄のように、誠実に句を詠まれてこられていて、
人真似などとは無縁である。
ご自身の日々の中からテーマを掬い上げ、句に仕立てる努力をなさる。
きっと、何事にも誠実に向き合われていらっしゃるのだろう。
これまでを振り返って2句。
ふるさとの水無き川や姫女苑 文(2017年 8月)

野に下りし星の如くや霜の花 文(2018年 2月)

これからも、俳句の道をご自分のペースで邁進なさるにちがいない。
そしてある日、初心者でなくなる日を迎えるのだろう。
「都市」が、それを支えている。
私も句友としてながくおつき合いいただきたいと思っている。
田中 聖羅
入学や自立の朝のカップ麺 山下 文
「都市」の会員になられて一年、「歩み句会」在籍の山下文(あや)さんの
近作である。
折しも「都市」8月号誌上にて、中西主宰の選評を得られた句でもある。
「入学や」で切り「自立の朝」と展開し、着地の「カップ麺」が嫌味なく
響いていて歯切れのよい一句となっている。

掲句の自立の主人公は、お孫さんである。大学に入られ、
寮生活に入られたのだ。
今日から自立だと意気込み、朝食にカップ麺を自分で作ったのだろう。
背後に家族が見守っている。いよいよ出発という朝の光景を切り取り、
まさに「今」を詠まれている。
若い人の出発を見守る心の幅というか、奥行きが感じられるし、
ちょっと面白がって
いる視点や距離感も感じられ、なかなかなのである。
なにより、この光景を俳句にしてみせた・・・ことに感嘆した。
文さんは、そのお人柄のように、誠実に句を詠まれてこられていて、
人真似などとは無縁である。
ご自身の日々の中からテーマを掬い上げ、句に仕立てる努力をなさる。
きっと、何事にも誠実に向き合われていらっしゃるのだろう。
これまでを振り返って2句。
ふるさとの水無き川や姫女苑 文(2017年 8月)

野に下りし星の如くや霜の花 文(2018年 2月)

これからも、俳句の道をご自分のペースで邁進なさるにちがいない。
そしてある日、初心者でなくなる日を迎えるのだろう。
「都市」が、それを支えている。
私も句友としてながくおつき合いいただきたいと思っている。
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