fc2ブログ

Article

        

10月の吟行記です。

2019/ 11/ 04
                 
    10月ぼうさいの丘公園吟行    坂本遊美

ぼうさいの丘公園は初めてだった。
本厚木駅からバスで農大前の終点で降りる。
眼下に里山の家や畑が秋の日差しに輝いている。
その奥に連山があり大山の樹々がはっきり見える。
見晴らしのいい高台は、気持ちがいい。

先生の「今日は、子供や若い人を観察して作りましょう」
「6句出し。10句以上作る事」の目標を胸に歩き出した。
6月の等々力渓谷吟行では、「切れ端でもいいから材料を
沢山集めましょう」が、今日は10句以上となっている。
心が動いたものは、その場で句にする様にしよう。

「野鳥の池」に鳥の姿はないが、自然の儘の池と湿地の草原に
趣があり、その周りの森林や畑道も鄙びていて句材は豊富だ。
「子供広場」では子供達が様々遊んでいるが、類想句に注意だ。

吟行当番の「農大は守衛さんに挨拶すれば入れます。
馬柵があります」の言葉に、馬場を目指す。馬場は校舎の外れの
林の中にあり馬が三頭いた。暫く見ていると、女学生が一頭の馬を
ホースの水とブラシで洗い始めた。
思わぬ光景に、全神経が惹きつけられる。
集中して夢中で浮かんでくる言葉を句帳に書きつける。

句会が終わって。始発のバスに乗って発車を待っていた。                
火ともし頃の眼下の家の灯りは、温かく人を待っているようだ。
山は屛風のごとく暗い影絵となっている
まだ蒼さを残した空は茜色と黒雲が刻々と変わっていく。
イベント係がさっき迄一泊吟行の話をしていたのに、
今は新年会の相談をしている。
秋の夕暮に、和やかな「都市」の仲間と居る幸せを感じていた。

   当日の中西夕紀先生の四句

                               空


     連山の奥嶺隠さず雲の秋

     耳元の翅音払へり水の秋

     蒲の穂や彼の世より出で鯉泳ぐ 
  
                 赤とんぼ
 

     柔らかにでんぐり返る子に蜻蛉
スポンサーサイト



                         
                                  

コメント