爽やかな5月爽やかな句会がありました。
2010/05/27枡形山吟行記 (5月1日)
酒匂 了太
大型連休最中の吟行、18名が参加した。
文字通りの五月晴れ、正に絶好の吟行日和。
10時、小田急線向ヶ丘遊園駅集合、
まず、枡形山山麓の広福寺に向かう。
歩くこと10分、この寺は遠く平安時代に創建、
下って鎌倉時代、枡形山に山城を築いたこの地方の豪族、
稲毛氏が館を構えた処とのことで、現在その稲毛氏の
菩提寺となっている。
境内は種々の花木が四季を彩るが、今は桜が終わり
牡丹、石楠花等が満開。
また、寺の周囲には、稲毛氏代々のものをはじめとする
墓石が所狭しと並んでいる。
ここで40分程の作句時間をとる。
ここでの句は矢張り、牡丹と墓に関係するものが多かった
緋牡丹の御霊のごとく白牡丹 燐 (主宰特選)
ねぎぼうず墓域の一角畑として 佐紀 (主宰特選)
墓石の梵字跳ねいる五月かな 詩
蟇の声城主の妻の小さき墓 奈津子
ぼうたんの拳骨ほどの蕾かな 光香
ぼうたんのあたまを擡げ紅ふかむ 葉子
その後枡形山に向かう。
途中、戸隠不動尊跡地を経由して新緑の中を30分
山頂に至る。
山頂は現在公園になっており、一角に往時の砦を模した
展望台が建っている。
展望台は4層程の高さで、エレベーターで昇る。
最上階からの眺めは正に絶景、四方から万緑が迫り
遥か彼方に、横浜、川崎、そして新宿等の高層ビル群が望める。
ここで昼食を含めて1時間程の作句時間。
ここでの句は、展望台からの眺めに関するものと、
城址ということに因むものが多かった。
城山の八十八夜の水ひかり 良 (主宰特選)
鳥の眼になりて見下ろす新樹かな 康太 (主宰特選)
葉桜やノートに日の斑踊りをり 奈津子 (主宰特選)
城山の蹄の音か春風か 夕紀
磴のぼり来て搦め手の青嵐 七海
1時前山を降り、会場の多摩市民館に移動する。
各自7句を出句、2時から5時まで句会。
先に挙げた句などが高得点を得た。
爽やかな5月の一日、こんな日の飲んべえの気持ちを
代弁する次のような句もあり、和やかな一日であった。
青空のなかなか暮れず生ビール 夕紀
コメント