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和さん愛にあふれた「都市の1句」です!!

              都市の1句(41)    長谷川 積


         立山を照らす夕日や稲の花      高見 和
                                                                       
                                 (都市20年2月号)
                  

                          立山山頂




それは4年前、玉川学園の俳句講座での出会いから始まった。
継続受講されている方々の中に新入生が二人、
それが和さんと私だった。

講義終了後、初対面の私に昼食をご一緒にとのお誘い。
そこでお互いに詳しい自己紹介。大大先輩でしたが、気さくで考え方も
お若い。話していくうちになんと境遇のよく似ていることに本人同士も驚く。
直近に奥様を亡くされたこと、特許のお仕事をされていること
(私も2か月前まで特許事務所に勤務していた)、電気工学の技術者であること、
そして富山県のご出身であること(私は独身時代に出向で4年間を
富山で過ごした)等々。初日から意気投合した。

 お互い俳句を作ることは初心者(和さんは俳句の知識は豊富ですが)で
何もわからないのに「自分の日記代わりに俳句を作るのだ」とか
「綺麗なことを詠みたい」とか、ここでも意見が一致。

 その言葉の通り和さんは、いつも日本の原風景のような
きれいな情景の句を詠まれる。特に郷土愛に溢れておられ、
富山の景色をよく詠われる。
私も良く知っている立山連峰の雄大な景色は、和さんのみならず
富山人にとっては格別なもので、四季折々の生活に切り離せない
存在となっている。
上記の句は、そんな中の一句である。

                         立山


歳時記の「稲の花」の説明には「稲ほど短命な花はない」
「開花から受粉まで三時間ほどのドラマである」とある。
立山連峰に夕日が当たっている。その時間の頃には手前に広がる田んぼの
一つ一つの稲穂で小さなそして数多くのドラマが終わろうとしているのである。
一見寂しそうな情景に思えるがそうではない。このドラマの終わりが
新たなドラマ「豊作」への始まりであることを予感させる。
                       
                                           田


一つ一つの稲の秘めたる力を感じ取ることができる、そんな一句である。
和さんの本領発揮である。因みにこの句は‘19年9月の中央句会で特選を
得た句でもある。

お知り合いになってまだ4年あまり、和さんの広い心により歳の差を忘れ
旧知の友のように何でもざっくばらんにお話することができる。
折に触れて反省会を開き(そうお酒の場で語らうことが好きなところも
よく似ていた)これからもお互いに切磋琢磨していきたい。
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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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