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以前「都市を読む」を書いて下さっていた山中多美子先生(晨同人 円座同人)から、8月号の感想を頂きました。

2020/ 09/ 06
                 
都市8月号感想       山中多美子

八月号の扉を飾る作品は藤原龍一郎氏の短歌で
意表を突かれました。鑑賞に重みがありました。
主宰の句で特に気に入りました句は

                           DSCF4199.JPみず


栗の花筑波は遠く見ゆる山
     
焼岩魚待つ間の水のうまきこと
     
瀬音消さぬほどの音楽冷し酒  

漁具置きし小さき蚕豆畑かな


また今号は、何といっても北杜青氏の句集『忝』の特集が
良かったです。やはり日ごろ句会を共にしておられる
方々の鑑賞は深いと思いました。
三森梢さんの、青さんマジックという喩えは良いですね。

           寒林

     
寒星へ木々は枝間を開きけり  北杜青 
 
 夕紀さんの佐藤鬼房の『夜の崖』を読むの論考にも
驚きました。時代が違うのによく調べられて、時代背景の中
俳句界の動きを検証されていると思いました。
  
          
     戦あるかと幼な言葉の息白し      佐藤鬼房
     
     齢来て娶るや寒き夜の崖        佐藤鬼房


秋澤夏斗氏や鈴木ちひろ氏の『夜の崖』を読むも
簡潔にして、要所をとらえてあり心に染みました。
 
 八月号の好きな作品です。
 

散る桜
                                 


   鮎跳ねし水輪しばらく流れけり      渡辺純
   
   母の日やどちらさまかと母が問ふ    横山千砂
   
   見上ぐればあの日に誘ふ桜かな     酒匂了太
   
   修司忌や次に進めぬパスワード     田中聖羅
   
   コメディアン死して柳絮を飛ばしたる   樋口冬青 
   
   散る花にバス停ふたつ歩きけり     吉良唯
   
   まんさくの丘へ押し上げ母の腰     大塚わか子
   
   アーモンド咲いて島の子入学す     三森梢                                  

以上

(都市編集部・ブログ編集部より)

都市の会員のみなさんもこのように、自分の結社を知るため、
俳句界の現状を知る上にも
都市誌の全体を
しっかり読むようにしましょう。
  
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