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コロナ禍の中、1泊吟行に代わってのバス吟行です。
2020/ 12/ 20埼玉吟行記 三森 梢
12月2日朝8時 総勢24名を載せたバスは
曇り空の下 町田を出発。北へと向かう車内の
静けさに ついウトウトする。二席を一人で占め
喋らない お菓子を回さない という
「新しい日常」のせいである。
埼玉古墳群に到着。
早速「さきたま史跡の博物館」に入り
あの「金錯銘鉄剣」と対面する。銘文の文字は
拙くはあるが 金色に輝いている。そして
この剣を作った職人は文字を読む事が
出来たのだろうか?示された字を懸命に
真似たのだろうか?等の思いが湧いてくる。

馬具馬装の金銅冴ゆる展示室 小林 風
古墳群へと向かう。丸墓山古墳の頂上へと
一直線の段を上る。後ろから「今日は山登りか?」
と言う声が聞こえる。眼下には 築造時の姿を
想わせる前方後円墳が幾つも並んでいる。

稲荷山古墳の後円部に立つと 剣を傍らにした
被葬者の絵が空を向いている。博物館の学芸員の方
によると 剣の所有者と被葬者は同じ人とは言えない
とのこと。又 副葬品には朝鮮半島由来の物もあるが
渡来系の人なのかどうかも判らないとのこと。
古代は謎を秘めているからこそ面白い。
冬草のひかりをまとふ古墳かな 秋澤 夏斗

午後は吉見百穴である。山肌に開いた無数の横穴を
覗き込みながら 急段を上る。眼下には川と冬田が
広がり 遥か正面に秩父の山並。不動産屋の
宣伝めくが「日当り良好 眺望絶佳」の墓所である。
それにしても この墓山に葬られた人々は
どこに住んでいたのだろうか?その子孫は
どうなったのだろか?等と古代に思いが飛んでいく。
百穴の太古の闇へ木の葉降る 砂金 明
帰路につくと 相模川を渡る頃から 車窓に
雨粒が当たり始める。
感染者数が増えてきた時期と重なり イベント係の方達は
どれほど神経を遣った事かと思う。
下見 食事の手配 当日の案内等々細かな配慮を
して頂いたお陰で 私達は多くの俳句の種を得る事が
出来たと思うと 心からの感謝をお送りしたい。
有難うございました。
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