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唯さんが語る檸檬さんの俳句です。

2021/ 01/ 18
                 
       都市の一句(43)

     バス降りて真っ先に来る稲穂波     小寺檸檬


                         案山子


正に映像が鮮やかに浮かんで来る素晴らしい句。
主宰も誌上で印象鮮明と評しておられるが、檸檬さんの代表句になる
「都市の一句」だと思う。「真っ先に来る」の中七が実にいい。
簡単な言葉であるが、実感に勝るものはない。作為的でなく、
瞬間に出来たのではないだろうか。俳句の神様の贈り物。
着地の「稲穂波」が溢れる故郷愛に満ち満ちている。
故郷を慈しむ想いが押し寄せるようだ。バスを降りた途端の風、匂い、
音等々五感に訴えて来る。それと同時に豊作の安堵感も感じられる。

因みに私の場合は、バスを降りて真っ先に来るのは鰻を焼く匂い。
これは美しい詩にはならないが、絶対食べよう等と考えながら
ぶらぶら歩いて行く。

この句のみならず都市十二月号の檸檬さんの句は、
どれも味わい深い句が揃っている。
今まで隠れていた想いに表現力が加わり突破口を開いたと思う。

               田


更に十二月号掲載「季語の風景」を拝読し、故郷への想い、ご家族、
人となりまで垣間見え納得した。
実に心打つ暖かい文章だった。本当にいい背景を持っておられて
羨ましい限りだ。檸檬さんとはざぼん句会、ライン句会で一緒だが、
一句一句丁寧に講評され、真摯な姿勢に学ぶ所が多い。

今まで「れもん」ってどう書くの?と考えていたが、お陰様で?
この数年の内にすっかり習得できた事も報告したい。
故郷をバックボーンにして更に更に鮮やかな句を作って頂きたい。
楽しみしている。
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