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檸檬さんによる、虫好きのひなこさんの句の紹介です。

2021/02/18
                 

              都市の1句 (52)           小寺檸檬

       草の穂を螇蚸抱へしまま乾き      平澤ひなこ


 野原で見つけた光景だろうか。草の穂を食べているのだろうかと
そっと近づいてみると、螇蚸は穂につかまったまま命尽きていた
というのである。草むらの中でひっそりと土に帰るはずの螇蚸
も時にはこんなふうに命が終わることがある。

                                  木にバッタ


 この句を読むと螇蚸の生に対する執着と最後まで全うしようとする
力強さを感じる。作者もきっとそこに惹かれて思わず句にしたのでは
ないだろうか。
「抱きしまま乾き」という表現がとても上手い。螇蚸の思い、
それを見つけた時の作者の感動が胸に迫ってくる句である。

ひなこさんの句には虫や鳥など動物を詠んだ句がたくさんある。
そしてどの句も「こんな場面をよく見つけたな」と思う句ばかりである。
とにかく観察力が半端じゃない。私などは見逃してしまうような
一瞬を捉えて作った句が多い。これはじっと観察しているからこその
気づきだと思われる。

          鳥


 ひなこさんはきっと限りなく愛情を持って自然に
接している人なのだ。だからこそ自然にすっと溶け込んで自然と
一体になる瞬間があるのではないだろうか。

 ざぼん句会でご一緒するようになってたくさんの句を拝見したが、
どの句にも夕紀先生がいつも大事だとおっしやっている『発見』が
あるので感心させられる。
 
 一度真似をして我が家のベランダの野菜に留まった虫を観察した
ことがある。ちょっとずつ虫の様子に興味が湧き2~3日すると
まだいるかなと愛着さえ湧いてきた。
そして一句作ることができた。ひなこさんに感謝である。
句会でご一緒できて本当によかったと思っている。

                                   蟷螂
  

 これからどんな句にお目にかかれるかとても楽しみであると同時に
もっとたくさんのことを学ばせて頂きたいと思っている。

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