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緑の美しい生田緑地への吟行です。
2021/ 06/ 136月吟行 生田緑地吟行記 大木満里
はや、六月。
今回は川崎市にある生田緑地。久方ぶりの吟行句会である。
向ヶ丘遊園駅集合。参加者二十五名。
当日の朝は、走り梅雨ともいえる曇り空。前日の雨も上がり、皆和気あいあいである。
と、いいたいところであるが、マスク故、雰囲気から察するばかりである。
出句は七句。朝の挨拶で、中西先生は、とにかく見たものをメモし、
三倍の句をまず作句することが大切と、写生の要点を語られた。

駅より徒歩十分程で到着すると、まず菖蒲園。今が盛りである。
いつの間にか、紐がほどけるがごとく、皆、様々な場所に散っている。
密雲のこぼれ日ありぬあやめ草 森 有也
菖蒲池の階段を上ると、芝のひろがる中央広場。泰山木の花が香り、D51の客車が二台。
子供たちもいきいきと走り回っている。時間がたつにつれ、青空も見えてきているが、風が涼しい。
風とくる水鉄砲の流れ弾 髙橋 亘
広い敷地の奥は深い森や遊歩道があり、民家園、岡本太郎美術館等、
様々な興味をそそる施設が点在。民家園には蕎麦処があり、よき匂いに思わず足が向くが、
時間の都合で残念ながら次回に。
設ひの簀戸に整ふ光かな 岩原真咲
胸突きの坂の半ばや山法師 菅野れい
鋸草岡本太郎の挑む顔 加瀬みづき

木洩れ日のゆらめく中を夏の蝶 鈴木ちひろ
(掲載句は、当日の中西先生選特選句)
中西先生は、句会のまとめで、特選句は丁寧に描写され、堂々とできている、
また、それぞれの吟行句にも個性が出てきて、内容にも多彩さが出てきているのは
喜ばしい、と講評された。成程と思うばかりである。
それにつけても、はやく、コロナ禍を抜け出し、かっての吟行句会に戻りたい、
と思うのは私だけではないだろう。
いつもながら、当番の皆さんの細心の心遣いには、感謝するばかりである。
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