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今年もよろしくお願いいたします。ブログはじめは「都市の1句です。」

2022/ 01/ 03
                 
              都市の一句 (59)     打木歩人

       逢はぬ間に乙女となりぬ花衣      中島晴生

            花5



 晴生さんは、私が「都市」に入会して一年ほどであろうか、
入会された方である。中央句会のはじめにご挨拶されたことを
記憶している。しかし、俳句については私なんかよりもずっとずっと
先輩で、ベテランである。

 私が「都市」に入会して間もなく、「孫俳句」という言葉が
否定的な意味合いで使われていることを聞いた。
私には孫はいないが、孫の可愛らしさを素直に詠んでどこが
悪いのだろうかと不思議に思っていたが、そのうち足りないのは
距離感と客観性だと気づいた。

 すっくと立った和服の若い女性が見えるようである。
実は晴生さんがこの句を出句した句会に、私は出席していない。
句会誌「都市」を読んで感動をした句なのである。

                                    花3



 晴生さんのこの句、すっかり乙女となった女性を描いている。
乙女になられたのは同居していない孫、親戚の子、姪などが
考えられるのだが、距離感・客観性が見事である。

 私ごとになるが、父の葬儀の際、小さい頃よく遊んでいた
姪(すでに社会人)が、敬語をはきはきと使って葬儀会場の
担当者とやりとりしていたことが思い浮かぶのである。
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