fc2ブログ
俳句でおしゃべり-都市ー

玉虫句会の吟行を紹介いたします。

レオフェイ
        玉虫の会 盆栽村吟行記          鈴木ちひろ

4月15日、玉虫の会はさいたま市大宮にある盆栽村へ初めての吟行に
出かけました。これはコロナ前からの計画で、中島晴生さんが紹介して
くださった盆栽村にみんなで行こう!と楽しみにしていたものです。
それがコロナ禍によって延期となり、2年を経てやっと実行することができました。

10時半に大宮駅に集合したメンバーは8名。
東武野田線に乗り換えて大宮公園下車。
改札を出ると目の前にびっくりするほど大きなヒマラヤ杉が聳えていました。
小雨の中、晴生さんの案内でまずは盆栽美術館へ。
5分程の道ですが、道幅の広い道路を挟んで建つ家々の大きくて
立派なことに驚きます。盆栽御殿通りのようです。

江戸時代、文京区千駄木周辺には、大名屋敷などの庭造りをしていた
植木職人が多く住んでいましたが、明治になり盆栽専門の職人も生まれました。
その後関東大震災をきっかけに盆栽に適した肥沃な土と水を求めて、
盆栽業者が大宮に移り住み大宮盆栽村が生まれました。最盛期には約30の
盆栽園があり、現在は5軒となりましたが今も盆栽の聖地として
世界中から愛好家が訪れているそうです。


             盆栽2


平日の雨模様とあって、美術館はわがグループで貸し切り状態です。
ゆったりした館内には盆栽の見方や形態などの解説とともに、
堂々たる盆栽が展示されています。
何れも200年から300年以上の樹齢の黒松や赤松の名品で、
じっと見ていると大木のような風格を漂わせています。
樹形の見事さに職人の卓越した技とたゆみない努力が感じられます。

回遊式の庭園に出ると、もみじや黒松や欅の名品が美しく配置されていました。
その中には推定樹齢500年と言われる五葉松「千代の松」もありました。
私たちは傘で盆栽を傷めないよう注意しながら、素晴らしい枝ぶりを
ゆっくりと鑑賞することができました。雨に濡れたもみじや黒松は、
黄色や緑がより鮮やかになってひときわ美しく見えました。
係の方に伺うと、庭園の盆栽は元来自然の物なので、台風や大雪の時にも
一部を除いてはそのまま屋外に置かれているそうです。風雪に耐えて何百年
という歴史を重ねている植物の生命力の強さにとても感心しました。

美術館を出て併設の直売所を冷やかして、10センチほどの黒松が
1万5千円という値段に驚いた後、又2軒の立派な盆栽園を見学。
それぞれ展示の仕方にも個性がありました。松などの新芽は樹形を
保つためにひとつずつ手で摘み取るそうです。職人さんの仕事は
とにかく根気と忍耐が必要な大変な仕事です。
                               盆栽1


「BONSAI」として世界でも人気を集めて観光客で賑わっていたようですが、
コロナ禍の打撃を受け、見習いの外国人も減っているそうです。
一番関心がないのが日本の若者とのことで、盆栽の奥深い魅力を感じるのは、
なかなか難しいのかもしれません。

雨も上がり、生け垣の満天星の白い花が美しい滴に濡れていました。
盆栽村をたっぷり堪能した私たちは、駅前のレトロな喫茶店の
美味しいココアでひと休み。俳句は次回の句会の宿題として、
3時過ぎの電車で楽しく帰途につきました。

     盆栽の根張りに貯まる春の雨       吉良 唯
   
     盆栽の村にやさしき春の雨        鈴木 ちひろ
   
                     bonnsai3.jpg


     松柏の緑雨流るるうねりかな       吉良 唯

     盆栽の千の樹相に芽吹きかな       安藤 風林
   
     青梅の雨を弾きて実盆栽         中島 晴生



スポンサーサイト