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関山さんによる、主宰の俳句の(都市6月号)鑑賞です!

2022/ 06/ 25
                 
「都市」令和四年六月 中西夕紀句鑑賞  関山恵一
  
    春寒し白身魚の金沢に
 

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金沢は魚が豊富で美味しい。寿司をはじめとして魚料理の店が沢山ある。
白身魚では何といってもアラであろう。金沢城と歴史豊かな金沢を散策した後の
お酒と肴、至福の時。筆者は煮て良し焼いて吉、刺身でなお良し、のノドグロがおすすめです。

    花筏乗りて浄土へいく虫か
 

散った桜の花が水面を重なって流れるさまを「花筏」とした俳人の表現は見事である。
水面を流れてゆく花筏のひとつに小さな虫が乗っている。「浄土へ行く」はけだし名言である。
作者も出来れば乗って浄土に行きたい願望があるのでしょう。

    脳内をももいろにして春の夢

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 「脳内をももいろにする夢」とはどんな夢であろう。このひと言に読者の想像が
大きく広がってゆきます。「ももいろ」ですから楽しい、艶やかな、夢を想像します。
シューベルトの「春の夢」の歌詞に「二人の心・二人の口付・至福の時」があります。
元カレとの再会とワインとイタリアンの食事?もしかしたらやさしい口付も?

    つばくろやいざ鎌倉へ切通し
 
古道を歩くと歴史に降れているような感覚になる。
鎌倉はには「七切通し」と言われて七つの切通しがある。
「いざ鎌倉へ」の語源は鎌倉時代に、何かの異変があったときに
すぐに鎌倉に駆けつけることが出来るよう、鎌倉への交通網の整備したことによる。
切通しの中を飛び交う燕を見て、「いざ鎌倉へ」と詠んだ作者の表現が豊かで面白い。

吾にまだ老いの未来や櫟の芽
 
夕紀先生に「老い」と言う言葉はまったく似合わない。人生百の時代にあって、
作者はまだまだ現役真っ盛り。作者が抱いている「老いの未来」はずっとずっと先のこと。

未来

                       




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