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俳句でおしゃべり-都市ー

都市の1句です。正次さんのブログデビューです!

レオフェイ
          都市の1句 (66回)        嶋田正次

     天寿まだ残りのありて新酒酌む     落合秀岳

秀岳さんとはまだ句会だけのお付き合いで、酒席を共にしたことは
ありませんが、毎月の句会の作品を拝見し、いかにもお酒好きな人だと
お見受けしていました。またお話を伺うと、若い時には山登りに熱中した山男だった由、
秀岳という俳号も山への想いからつけられたものなのだと合点がいきました。

しかし、最近は膝などに持病を抱えられ、句会には足をかばいながら
参加されておられますが、そうした身体の弱くなっていく自分を
そのまま詠まれている句も多いように思います。

掲句は何といっても「天寿にはまだ残りがある」という鮮やかな発見が
眼目だと思います。一日一日を病と闘っておられるが故の発見です。
                                  ワイン


今年も何とか生き永らえて美味しい新酒が飲めるようになったという
喜びの句ではありますが、秀岳さんがこの句をどういう気持ちで
詠まれたのか色々想像が膨らみます。

まず、来年も飲めるかなあとちょっと気にしながらも今年の新酒を
しみじみ飲まれている姿が想い浮かびます。いうなれば明日の生への不安を
持ちながらも今の生を楽しんでおられる様子です。

でもひょっとしたら、明日のことなんかより今のお酒へのこだわりが強いかも。
来年のことなんかわからん、生きているうちにこの生を楽しもうという
いわば悟り的な境地になって新酒を飲んでおられる姿もまたありかなとも思います。

どのように想像するかは読み手によって違うと思いますが、私的には前者の方、
喜びと不安をないまぜにして飲んでいる姿の方が新酒という季語に
よりふさわしいかなと思っています。

                   ばー


句が出来たら解釈は読み手の自由だといわれますが、この句だけ、
今度秀岳さんに会った時、こっそりその気持ちを伺いたいと思います(笑)
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