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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

今回も関山氏が主宰の句を鑑賞してくださいました。

「都市」令和四年八月 中西夕紀句鑑賞   関山恵一(春野・三田丘の会)

      開き癖つきしノートや修司の忌

                                                      スマホ

 「修司」は勿論詩人寺山修司。「振り向くな、振り向くな、後には夢がない」という名言を残し
四十七歳の若さでこの世を去った。作者が気の付いたことを書き留めておくノートに書かれた
修司の言葉、繰り返し呼んでいるため、そのページがひらき癖がついている。
今日もまた心に響いた言葉を書き入れる。

      聖五月櫟に榎に葉のさやぎ<

 カトリックでは五月を「聖母マリアの月」と定め、特にマリアを崇敬賛美し熱心に祈りを捧げる。
このころは新緑が美しく爽やかな風が心地よい。其の風を受けて櫟や榎も葉がざわざわと音を立てる。
その葉のさやぎを平和を祈る聖五月の声と感じた作者の平和への願いが込められている。

      買うて来て嗚呼二冊あり青しぐれ
 
 書店に立ち寄った作者、ぱっと見て目に入った本に惹かれて買って帰った。
家の書棚を見るとその本がすでに二冊ならんでいる。
是非読みたいと思って買ったが二冊もあるということは、まだ読んでいないのであろう。
いかにも忙しい時を過ごしている作者の日常がよくわかる。
「嗚呼」の一言に残念な気持ちが良く表れている。

                                         草花

      牛蛙啼く女子大の静けさに
 
牛蛙は体長十五センチから二十センチの大きな食用蛙でその鳴き声が低く太く
牛の声に似ている事からきている。女子大学の傍らに大きな池か沼があるのであろう。
静まり返った女子大学の夕暮れに牛蛙の声が響いている。蛇を全く恐れないという作者は
もしかしたら牛蛙を食べてみたいと思っているのかも。

      打水に来客雨を吊れ来たる
 
 一般的には暑い夏にほこりを消したり、涼気を取るために庭や道路に水をまくことを言うが、
本来は茶席で客を迎えるときや退出の時に路地を濡らす事からきている。
この句は、連日の猛暑の夕方、少しでも潦をとろうと打水をしていると来客が訪れた。
しかもせっかく打水をしたのに急に雨が降ってきた。「雨を連れ来たる」が軽妙である。

                        




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