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今年のバス吟行は、静岡県へ
2022/ 12/ 06 2022,10バス吟行記 長谷川 積
撮影者 積
朝からスカッと晴れた空。雨男の私なのにどうしたことか。
みなさん全員が定刻前に海老名駅に集合。コロナの接種証明を示して
乗り込んだバスは順調に出発。ところがところが雨の代りの想定外が待っていた。
事故らしく東名がまさかの大渋滞。
そこはそれ流石俳人魂、こんな状況でも車窓に何かを探して筆を走らす。
鳩の群空に呑まれて秋高し 中西夕紀

定刻の一時間遅れで、最初の吟行地「蓬莱橋」へ到着。広々とした川原、広い空、
長く伸びる橋、バスの密室から開放された面々は思い思いに散らばる。
木の橋は欄干も無いに等しく、橋板は歩くたび軋み、橋も揺れている。
こんな素朴な橋が約九百メートル続き、向こう端が点にしか見えない。
ということは、それだけ川幅も広いということ。なのに ここかしこの流木を
アクセントにする石の河原が続くばかり、本流は遠く先、なかなかたどり着けない。

川涸れて日の流木のそこここに 星野佐紀
秋草に流木の散大井川 中島晴生
半ばくらいまでしか行けなかったものの橋の上からの広々とした景色は実に気持ちがいい。
橋に立てば秋天遙か四方遙か 高橋亘
再びバスは大井川沿いの細い道を下る。長いでもか細い蓬莱橋はみるみる遠ざかり
堤防の緑の中に消えていく。
用水を満と湛へて真葛原 森有也
30分くらいで「日本平」に着き早速昼食。
普段は食べることが出来ない静岡のB級グルメを集めた定食、顔を上げると全面のガラス窓の
向こうには富士山がくっきり。

食後三々五々に「夢テラス」へ。秋晴の青空の下の大パノラマ、遠くは富士山、
伊豆半島、駿河湾、眼下には静岡市街地、清水港、そして三保の松原。
撮影者 積
景色を満喫したあと、バスは一気に坂を下り最後の吟行地「三保の松原」へ。
3万本あまりもあるという鬱蒼とした松林、一本一本が太くうねっており歴史を感じる。

秋麗や松の樹液の透き通り 島田遊妹
その一角には三代目となると羽衣伝説の「羽衣の松」「羽車神社」の祠、
そして眼前の広大な砂浜。皆はまるで孵化したばかりの亀の子のごとく
三々五々波打際へと向かう。振り返えれば松林の向こうに富士山がくっきり。
まさに世界遺産の景色に感動、日本人を感じる瞬間である。
秋涛や切り絵のごとき今日の富士 中西夕紀
この砂浜に舞い降りた神様が、陸側に少し離れた「御穂神社」まで通ったという松並木「神の道」へ。
五百メートルもあるとのことで入口近くだけでその雰囲気を感じとる。
色変へぬ松連々と神の道 中西夕紀
予定コースをすべて終え、車窓の夕映え富士に別れを告げながらバスは一路町田へ、
もうすっかり暗くなった7:30の到着。2日後の句会を確認して解散。
お疲れ様でした。
撮影者 積

朝からスカッと晴れた空。雨男の私なのにどうしたことか。
みなさん全員が定刻前に海老名駅に集合。コロナの接種証明を示して
乗り込んだバスは順調に出発。ところがところが雨の代りの想定外が待っていた。
事故らしく東名がまさかの大渋滞。
そこはそれ流石俳人魂、こんな状況でも車窓に何かを探して筆を走らす。
鳩の群空に呑まれて秋高し 中西夕紀

定刻の一時間遅れで、最初の吟行地「蓬莱橋」へ到着。広々とした川原、広い空、
長く伸びる橋、バスの密室から開放された面々は思い思いに散らばる。
木の橋は欄干も無いに等しく、橋板は歩くたび軋み、橋も揺れている。
こんな素朴な橋が約九百メートル続き、向こう端が点にしか見えない。
ということは、それだけ川幅も広いということ。なのに ここかしこの流木を
アクセントにする石の河原が続くばかり、本流は遠く先、なかなかたどり着けない。

川涸れて日の流木のそこここに 星野佐紀
秋草に流木の散大井川 中島晴生
半ばくらいまでしか行けなかったものの橋の上からの広々とした景色は実に気持ちがいい。
橋に立てば秋天遙か四方遙か 高橋亘
再びバスは大井川沿いの細い道を下る。長いでもか細い蓬莱橋はみるみる遠ざかり
堤防の緑の中に消えていく。
用水を満と湛へて真葛原 森有也
30分くらいで「日本平」に着き早速昼食。
普段は食べることが出来ない静岡のB級グルメを集めた定食、顔を上げると全面のガラス窓の
向こうには富士山がくっきり。

食後三々五々に「夢テラス」へ。秋晴の青空の下の大パノラマ、遠くは富士山、
伊豆半島、駿河湾、眼下には静岡市街地、清水港、そして三保の松原。

景色を満喫したあと、バスは一気に坂を下り最後の吟行地「三保の松原」へ。
3万本あまりもあるという鬱蒼とした松林、一本一本が太くうねっており歴史を感じる。

秋麗や松の樹液の透き通り 島田遊妹
その一角には三代目となると羽衣伝説の「羽衣の松」「羽車神社」の祠、
そして眼前の広大な砂浜。皆はまるで孵化したばかりの亀の子のごとく
三々五々波打際へと向かう。振り返えれば松林の向こうに富士山がくっきり。
まさに世界遺産の景色に感動、日本人を感じる瞬間である。
秋涛や切り絵のごとき今日の富士 中西夕紀
この砂浜に舞い降りた神様が、陸側に少し離れた「御穂神社」まで通ったという松並木「神の道」へ。
五百メートルもあるとのことで入口近くだけでその雰囲気を感じとる。
色変へぬ松連々と神の道 中西夕紀
予定コースをすべて終え、車窓の夕映え富士に別れを告げながらバスは一路町田へ、
もうすっかり暗くなった7:30の到着。2日後の句会を確認して解散。
お疲れ様でした。

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