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俳句でおしゃべり-都市ー

関山さんによる、主宰の俳句の(都市12月号)鑑賞です!

レオフェイ
       「都市」令和四年十二月 中西夕紀句鑑賞  
                                               関山恵一(春野同人・三田丘の会会員)

  
      消えたしとふつと思へり芒原
                          
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 広大な芒原を歩いていた作者、姿も隠れるほどの芒にふつと「このまま消えてしまったら・・・」と思った作者。
こんな感情は誰にでもあると思う。筆者も駅のホームで電車を待っているとき、
入線してきた電車に「今飛び込んだら・・」と思ったことがある。特に死にたいと思ったわけではなく、
ただふっと頭をよぎっただけである。

      港湾の霧も煙もひと色に
 
 海霧は冷たい空気が温かい海面に流れ込むとき発生する霧で島々を背景にすると幻想的な光景になる。
和歌山県の串本の「田原の海霧」は奇岩を背景に海面から湯気が立つように発生し幻想的な景で
写真愛好家が集まる。まさに「霧も煙もひと色に」なり夢のような世界に感動する。

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      鹿笛を削りては吹く星へ吹く
 
 鹿笛は、猟師が鹿を誘い出すために吹く笛で、雄鹿が求愛の時に鳴く声に似ている。
竹や鹿の角に鹿の胎児の皮を張って作る。作者が見たのは東北地方の「またぎ」と呼ばれる猟師であろう。
竹を削っては音の具合を確かめるために空に向かって吹いては削る。なかなか見ることのできない所をよく捉えた。


      買はれ来てちつとも鳴かぬ鶉かな
 
 鶉の鳴き声はかなりうるさい。鳴き声を聞くために買ってきたわけではないと思うが、
そのうるさいと言われる声を聞いてみたいのだがちっとも鳴いてくれない。
ペットショップでは「渦を飼う前にぜひその鳴き声を聞いて欲しい。かなり遠くからも聞こえるほど大きいので、
都会で飼うのは考えた方が良い」と言われる。作者の見ている鶉は鳴いたであろうか。

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      暮れてゆくわが世騒がしとろろ汁7
 
 「とろろ汁」は長いも・山芋をすり鉢ですりおろし、だし汁を加えてお米のご飯や麦飯にかけて食べる。
歳時記によると「喉にするすると通り、江戸っ子に好まれ、市井風流な食べ物で俳諧風の食べ物といえる」とある。
新型コロナウイルス、ロシアのウクライナへの侵攻、拉致問題など騒がしい此の世、
とろろ汁のようにするっといかないものか。作者の気持ちが良く解る。

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