fc2ブログ

関山さんによる、主宰の俳句の(都市4月号)鑑賞です!

「都市」令和五年四月号  中西夕紀句鑑賞
                関山恵一(春野・三田丘の会)
寒林


   裸木の笑ひかけたるごとき日矢
 
冬になって木々は葉を落とし裸木になる。日矢は雲間より漏るる一条の光で、
裸木に「葉が落ちてしまって寒くはないですか、この温かい光を浴びて元気になって下さい」
と笑いかけている様子に作者の心も暖かくなったのであろう。

   薬喰時化の海鳴り聞きながら

 「薬喰」は昔、けものの肉を食べることを嫌った昔、冬に栄養になる鹿や猪を食べるとき、
薬と称して食べた事を示すことである。おそらく、日本海に面した秋田か山形の宿で
海鳴りを聞きながら鹿や猪を食べている作者。今ではこうしたけものの肉は
ジビエと称して喜ばれている。美味しそう。

  立春の山や木の影のびやかに文字色
日や

 いかにも立春、待ちに待った春が来て美しく彩った山の影、木の影がのびやかに見える。
「のびやか」は「のびらか」と同義語で「心がゆったりとしているさま」
とあります(広辞苑)。作者の心もゆったりとしている。

春禽に真みどりの足泥を掻く
 
緑の脚の鳥はバンと思われる。バンは全体に緑黒色で脚も緑色である。
泥田にいるので「田を番する」ということでこの名がつけられたとされている。
春の温かい日差しの中で田んぼの泥を掻いて獲物を探しているバン、
おだやかな景が浮かびます。

雛壇にいよよ天井低くせり
 
おそらく大きな雛壇であろう。外の石段に何十弾も雛を並べている所も
あちこちにあるようですが、この家は座敷に数段の雛を飾っており、
そのため天井が低くなった感じがするのでしょう。
「いよよ」の措辞がその雛壇の高さを表している。

雛







スポンサーサイト



レオフェイ
Posted byレオフェイ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply