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山中さんからの10月号の暖かいご感想を!!

「都市」10月号を読む      山中多美子(晨・円座 同人)

中西夕紀作品「炎ゆる日」16句より
   
灼石にあづける尻神輿来る
   
ウエットスーツ腰までおろし女来る
   
雨音に陰と陽あり花瓢

                                            雨

     夏の蝶わが身を抜けてゆきしごと

 
ことに夏の蝶の作品は好きです。夏蝶の透明感が
 あります。わが身を抜けてゆきしごと とは言えないです。
 
 髙橋亘さんの句集『機影の灯』は私も大好きでしたが、
 桜木七海さんの鑑賞は素晴らしいです。やはり地元の方の
 鑑賞は一味違うと思いました。羽田空港の夕景の様子が
 しっかり描かれていて、心象的な背景にまで迫っていて流石と
 思いました。
                       煙


 湘子の一句・主宰の一句の
「殺すかも知れぬ毛虫を離れけり」の大矢知順子さんの鑑賞は凄いなと
 思いました。「殺すかも知れぬ」で間を置くとのこと。
 こういう読みもあるのかと感心しました。

                          毛虫


 加瀬みづきさんの「他誌散策」の「若竹」紹介は取り上げてある
 作品の鮮度がとても良いと思いました。
 
 好きな作品です。
  
朱雀集より
   
日くれがたこゑのきこゆる日向水    城中 良
   
菖蒲田に元禄の風ありにけり      桜木七海
  
乳牛の赤き乳房や梅雨長し       森 有也

  
白樫集より

                                      縄

   
束ねたるロープ荷台に夏木立     三森 梢
   
山蟻や深き靴跡雨を溜め       星野佐紀

  
青桐集
  
 出会ひたる河童も我も跣足かな    坂本遊美
   
聖五月ピアノに映るピアニスト     永井 詩
   
夕河岸の空は絵筆を洗ふごと     本多 燐
   
神輿待つここは浅草一丁目      盛田恵未
   
電卓の億は使はず明易し       加瀬みづき

  
都市集より
   
岩鼻や上り下りに蜘蛛の糸     小林 風
  

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Posted byレオフェイ

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