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俳句でおしゃべり-都市ー

関山さんによる、主宰の俳句の(都市10月号)鑑賞です!

レオフェイ
「都市」十月 中西夕紀句鑑賞 関山恵一(春野同人)

   舟虫の大家族ゐる舟の裏

 舟虫は群れをなしていることが多い。浜辺に引き上げられた舟の
裏側に集まって、人影が来ると蜘蛛の子を散らすようにさっと逃げる。
その舟虫の群れを「大家族」と表現した作者の見方が楽しい。

                                             氷


   炎ゆる日の指に吸ひ付く氷かな
  
 今年の暑さは「危険な暑さ」と言われるほど異常に暑かった。
暑い外出から帰って渇いたのどを潤そうと冷凍庫から氷を取り出す作者。
その指に氷が吸い付くようにくっついて離れない。
「炎ゆる日」の措辞はまさに「危険な暑さ」を上手く表現している。

   七夕や島に子供の影を見ず
 
                   島


 海に囲まれた日本は北海道から九州まで大小の島が多い。
人の住んでいない島もあるが、中には五十人以下の人が
暮らしている島もある。若い世代が島を離れて都会に出て行き、
島は老人ばかりになって子供の姿は見えない。
七夕を迎えても五色の短冊を吊るした笹竹も見なくなった。

   雨音に陰と陽   あり花瓢

 「秋の長雨」といって秋は雨の日が多い。朝起きると外は雨、
仕方なくじっと外を見ていると、樹木や地面など色々なものに
ぶつかっている雨音に陰と陽があることに気付いた。
瓢箪の花は夕方に開く、作者の見た瓢花は
まだ莟のままであろう。その蕾を打つ雨音は静かである。

   金魚

  
   腹巻に財布の容金魚売る
 
 これは面白味のある句です。季語は「金魚」、
下町の大道に店を広げている金魚売のおじさんの腹巻が膨らんでいる。
そのふくらみがはっきりと財布のかたちになっている。
おそらく、おじさんのお財布がいわゆる大きながま口であろう。
下町の景が見え、俳諧味のある句。




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