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「都市」の皆さんの2010年の自選句です。

    2010年 [都市」 自選俳句


素潜りの水裏の日も秋めけり
                  中西 夕紀

            障子


蟻地獄土壁の藁浮き上がる
                  砂金 明

百咲いて丘さびしかり節分草
                  井上 田鶴

夏蜜柑炊くわたくしの時間かな
                  岩原 真咲
             眼 真咲


物云わぬ児に寄り添うや桜草
                  大木 満里

七十の朝は光の霜柱 
                  岡崎 康太

秋深きガレ場や北の鳴き兎
                  川合 岳童

銀杏かつ散る大橋ジャンクション
                  川手 人魚

鶏頭刈る赤姫抱きよするごと
                  栗山 心

波乗りの足裏を白くこぎ出せり
                  小林 山荷葉

男一人川の上より咳投げし
                  小林 風

日溜りの新聞眩し風邪心地
                  坂本 遊美
               新聞 遊美


極月の炎の色動く護摩太鼓
                  
                  桜木 七海

嬰の目は天へ真つ直ぐ梅真白
                  酒匂 了太
                梅りょうた


海市よりとびくる鳥の白さかな
                  城中 良

                白 良

冬耕のシャツ一枚となりにけり
                  杉本 奈津子

生涯を名刺を持たず鰯雲
                  高木 光香

木の実落つ一直線の音たてて
                  玉水 牡丹

あの人にこの人に風五月来る
                  永井 詩

                詩 イタリアん

沖縄の陶のシーサー夕焼ける
                  ながた の鯉

魚氷に上るエントリーシートかな
                  野川 美渦

                氷 エントリー

薄氷の船出るやうに動きたり
                  平野 皓

雪晴のふるまひ酒や蔵王堂
                  星野 佐紀


永き日の背骨に首ののりたるよ
                  本多 燐

                狸 燐

父の忌の冬富士凛とそびえたり
                  松井 葉子

青葉雨の並木をゆかん魚となり
                  丸山 桃

願ひごと一つだけして冬ぬくし
                  三森 梢

               赤 梢

一匹の蝉一木の声となり
                  森  有也

声に声釣瓶落しの足場かな
                  盛田 恵未

冬林檎多産の家に生まれ来て 
                  山城 透

                多産 とおる

稲刈って帽子の下の器量よし
                  山本 旦

行く秋の戻り囃子を桟敷席
                  横内 まゆ

                落ち葉 まゆ

良き知らせよく噛みしめて朝寝せり
                  渡辺 友志夫

                朝寝 としお

秋霖や犀の背中の小さき苔
                  渡辺 茫子
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Posted byレオフェイ

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