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震災で俳句どころではないと思いますが、早春を味わって頂けたらと皓さんにお願いいたしました。

2011/ 03/ 25
                 
      3月の吟行句会
       
                    平野皓


3月5日(土)昨年に続き神奈川県自然環境保全センターに
おける吟行句会を実施した。

当センターへは、小田急線本厚木駅東口から徒歩2分のバスセンター9番乗り場
「七沢」行きバスに乗車し、25分程度の「馬場リハビリ入り口」で下車し
徒歩5分程度で着く。

雲一つ無い絶好の吟行日和だった。
本厚木駅に集合したのは夕紀先生をはじめ16名だったが
バスに遅れた田鶴さんが一人で後から参加された。
田鶴さんの俳句への強い思いには恐れ入るばかりだ。

センターへ向うバスの中で、先生に「今日は何句ですか」と
うかがったところ「10句にしましょう」とのこと。
「都市」のメンバーで貸切り状態のバスの中に
一瞬緊張感が漂った。

車窓から見える田園風景に目をやって
車内は作句モードとなった。
    
観察眼の鋭い風さんは、魚屋の店先に置かれた
売り物の野菜を車窓から見て

  山里の魚屋の棚の春野菜  小林風

を作られ句会に出されたのには驚いた。

センターへ到着後、13時30分に10句出句し
句会を行うということで、荷物を置いて、そそくさと
センターが管理する谷戸へと降りて行った。

     池
 

昨年より1ヶ月遅いので蝌蚪の紐、山菫くらいは見られるかなと
期待していたがお目にかかれなかった。

棚田状に沼が整備され、各沼に水が満ちており、
上の沼から下の沼へと水が掛流されている。
沼には薄い氷が張っておりまさしく「薄氷」である。

  薄氷のうごきだしたる光かな   城中良

  薄氷や細枝を辿る日の光     坂本遊美

  薄氷の下に流れの軽き音     杉本奈津子



上の方の沼の中には数珠子の固まりが見られた。
中には孵化して蝌蚪の黒い固まりを形成しているのもあり
幹事としてはほっとした。

             IMG_5333.jpg


この谷戸は一般に開放されているが、散歩している人はめったに居ない。
野鳥が多く生息しているので寒さをこらえてシャッターチャンスを
じっと待っている写真家が多い。

そこへ俳句を作る人達が句帳を手に所かまわずやって来て
何か句材を見つけると思わず大声を出してしまう。
このような場所での写真家と俳人の共存はかなり難しいようである。

この他に句に詠まれた季語は


       仏の座
 

         たけのあき


木の芽、榛の花、蘆の角、金蝋梅、辛夷の芽、犬ふぐり
酸葉、芹、竹の秋、頬白、鳥の巣、啄木鳥、初音
春光、水温む、忘れ霜、耕す
  などなど。

        エンドウ


全員が10句提出し、床まで檜造りのレクチャールームで13時30分から句会を予定通りに行い
定刻の16時30分にはセンターを出ることができた。

句材が少ないところでも頑張ればできるものだなあと感心すると同時に
無事に吟行句会が行えたことに安堵した。
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