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ざぼん句会の春流(はるる)さんが、句作りのために出かけたところは、、、

    夏の小さなお話

                 丸山 春流


今年の夏、とある美術館に出かけた。
句会も近い、題材探しである。

場所はすぐに分かったが入口がない。
展示物のポスターは貼ってある。
特に休館日とは書いていない、でも入口が無い。

             IMG_まつ毛

           

しばらくウロウロする。帰るという決断がつかない。
美術館の地下に小さな店が開いているのを見つけた。
和風の小物を扱う店だ。

この建物の中で唯一入れそうな場所だったので
階段を下りて店の扉を開けた。
客は誰もいない。ものを尋ねるだけでまずいだろうと思った。
手拭やら風呂敷やら扇子といったものが並んでいる。

扇子は今年買ったばかりだし、風呂敷や手拭は使う機会が無い。
何か使えて、値段も手頃でと思ったら、木綿地のハンカチがあった。
500円。これなら使えるし誰かへプレゼントにしても良さそうだ。

うさぎ柄の可愛いハンカチを選んでレジに持って行き、
やっと店員さんに尋ねるきっかけが出来た。
聞いてみれば、何も表示はしていないけれど、
毎月末は一週間位その美術館はお休みになるとのこと。

知る人ぞ知る、というお休みなんだそうで、
せっかく意気込んで来たのに、見事に肩透かしをくらった格好だ。

買ってしまったハンカチを眺めて、でも何か句を作りたい、
いや作らなければと思った。
でも休みかどうかを聞くなんて、句にまとまらないし
なんか間抜けすぎる気がする。
という訳でこんな句を作った。

   ハンカチを買いて道聞く裏通り   

道を聞いたわけではないから、
フィクションと言えばそうだけれど、
なぜ休みなのかを聞くとするには17文字では収まらない。

この句を出させて頂いたざぼん句会の皆さまには
「こういうこと良くあるのよねぇ」と共感を頂いて、
やや落ち着かない思いながらも、
転んでもただでは起きない・・・で作った句が
認めて頂けて本当に嬉しかった。


            IMG_8430ボッチ
  

俳句を詠み始めて三年。ざぼん句会に参加して二年。
ざぼん句会の皆さんは優しい。
いつも柔らかく背中を押して貰っている気がしている。
句会の三時間弱は緊張しながらも楽しい時間だ。
なかなか上手にはならないが、皆さんの笑顔に会って
励まされている。

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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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