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敬愛する句友の康太さんが、亡くなりました。最後に、すばらしい巻頭句を残して

2012/ 11/ 27
                 
     康太さんの思い出
                  秋澤 夏斗



康太さんが昨月の十月に亡くなった。

今年の六月の「にんじん句会」でお会いした時から
わずか四ヶ月の突然のことであった。

「にんじん句会」は、三冊子を教材として芭蕉の句について
学ぶ句会で、参加者は康太さんはじめ十名程。

康太さんは古典や漢詩に明るくいつも仲間をリードし、
色々なことを教えてくれた。

三冊子の中で作者服部土芳は芭蕉の上品の句を紹介していくのだが
以前仏教に興味を持ち修行した経験のある康太さんが「
上品(じょうぼん)」の言葉の由来について説明してくれた。

「浄土三部経」の中には上品(じょうぼん)、中品(ちゅうぼん)、
下品(げぼん)の九品仏(くほんぶつ)があり、
上品とは空の境地に至る仏教の最高位であるそうだ。

         仏


それにまつわる仏教の話がとても面白く、
大変興味深く拝聴したことを思い出す。
「にんじん句会」では当季雑詠三句を出句する。

句会での康太さんの句。
  
     桐の実やカフェの香りの常よりも
  
     春草やうまやに無垢の眼の並び
  
     音楽を梨の小さな実に聴かせ
 
どれも優しさのあふれた句である。

穏やかな生活の中に常に好奇心を抱きつつ
俳句に向き会って詠んだ康太さんの句。
その作品は会報誌「都市」に今も息づいている。
ときどきページをめくって康太さんに話しかけよう。

         竹


康太さん、これからも天国で私たちの活動を見守ってください。
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