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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

Bグループの吟行は、猛暑の中行われました。

           Bグループ吟行  神奈川県立四季の森公園吟行記    盛田恵未

7月11日都市吟行Bグループは、JR中山の神奈川県立四季の森公園へ行きました。
連日の猛暑の中の吟行でJR中山駅での待ち合わせに出席者はどうだろうかと、
多少の心配はありましたが、先生を入れて15名の出席者。
この暑さの中、なかなかの出席率だと思いました。

                                   紅葉

皆しっかりと水分を取って。喉が渇いてなくても水分を取ってくださいと夕紀先生からの
ご注意を頂き、駅前を出発。初めに句会場を確認して四季の公園まで15分くらい歩きました。
駅前の商店街の雑踏から住宅地へ、やがて大樹の作る木陰が増えて
四季の森へ到着。鬱蒼と茂る大樹の下、公園入口で給水タイムをとりました。
持参した氷の入ったお茶が喉に嬉しかったです。ほっと一息。

いつもは嫌いな帽子も今日はしっかりとかぶりました。
再度先生からご注意が。四季の森公園は広いのでこの暑さでは全部を見ることは難しいので
二か所ぐらいに絞って吟行をしましょうと嬉しいお言葉でした。
蝉しぐれの中、大樹下の木陰で吹く風に汗を拭きつつ皆の後について行きました。

                                   みみずく


広場に出ると木陰にベンチがあり、木菟を連れた人がいて、しばし質問攻めの光景が。
また、その先には草笛を吹く人がいて、その郷愁ある音色にしばし暑さを忘れました。
サックスを吹いている人もいたようで、聞きたかったなあと思いました。

    水

展望台に上り心地いい風の中で句作。お弁当を食べる人、アイスを食べる人、
しばしの句作時間となりました。展望台の後ろにある滑り台を、
こどもの様に声を上げて滑り降りる人。背中とおしりがやけどしそうだったとのことでした。

今日3本目だったか、冷たいお茶を自販機で買い、そろそろ句会場へ。
 吟行は見たものを描くだけでは感動がなく、そこに自分が何を言いたいかを
入れるようにとの先生の言葉が心に残りました。

 特選句は以下の通りです。

     束ねたるロープ荷台に夏木立           三森 梢

     足先にひかり集むるあめんばう          秋澤夏斗

     四方より風吹き上ぐる涼しさよ           島田遊妹

                                         木道



     花苔に座れば水のつぶやきぬ           山中あるく

     サックスを吹いて男の夏野かな           丸山斐霞

遅くなりましたが、7月のAグループの吟行記です!

     こどもの国吟行記(A)    岩原真咲

7月1日 横浜市のこどもの国での吟行である。
梅雨のさなかで早朝からどんよりとした空模様である。
当番としては参加者の人数が気になる所であったが、
中西主宰のもとに15名もの参加での吟行となった。

                                    ブランコ

         
集合時間にはもう雨が降り始めた。
主宰のご挨拶ご指示はきっぱり一言、「今日は雨。雨を詠いましょう」
そして「梅雨穴」という珍しい季語を教えていただいた。
私も初めて知った季語だったので挑戦してみたが難しかった。 

広大な園の中、まず句会場の位置を確かめる。雨の中それぞれ散っていく。
こんな日なのに親子連れらしきグループをいくつも見掛ける。
  
     荒梅雨や少年サッカー練習日   吉良唯

足元に気を付けて白鳥湖へ。対岸が霞んで見えないほどの雨脚、
屋根の下で頑張るしかない。
岸辺には多くの合歓の花が満開、雨中の花は更に儚くて格別の風情であった。
  
     でこぼこと家族の傘や合歓の花   鈴木ちひろ

雨の牧場へでかけた人たちも多く個性的な句がたくさん詠まれた。
  
     梅雨穴や仔牛の舌の桃色に     北杜青

あちこち歩き回るうちに雨は小やみとなり句会場に入ったころには
すっきりした雨上がりとなった。
  
                                     木


     老鶯や雨も峠を越えし音    中西夕紀

句会場は4時まで、コピー機は離れた事務所、など制約がある中
多くの方々にご協力いただき無事散会となり薄日のもと帰路についた。
雨の吟行皆様お疲れ様でした。

           雫

以下は当日の主宰選の特選句である。
  
     大雨に抗ふ子らの水遊び   茂呂詩江奈
 
     乳牛の赤き乳房や梅雨長し  森有也
  
     荒梅雨の足元重く滴りぬ    長岡あゆ
  
     
     先を行く人見失う緑雨かな   角田球
  
     倒木や赤極まれる梅雨茸    岩原真咲



                                        傘

都市もいよいよ、誕生から15年となりました。

          都市十五周年顛末記   永井詩
 
                           230625 15周年記念大会写真(3) 会場の様子2
   

千砂さんに決―めた!五月の「トーナメント」の出場者の中で丁々発止の彼女を見てそう思った。
これで司会者は決まりだ。
去年レンブラントホテルには予約人数は四十五人にしていたが参加者を募ると、
これまた四十六名だったので案内の予算でやれると分かりホッとする。

  230625 15周年記念大会写真(1) 主宰ご挨拶
                
                                       230625 15周年記念大会写真(2) 乾杯のご発声

               230625 15周年記念大会写真(4) 句集出版のお祝い


今回は新年会がなかったので、食事、表彰式、会計報告、句会と盛沢山である。
十五周年なので何かお楽しみタイムが欲しいと思う。ただ時間が、、予算が、、
主宰にアドバイスを頂き「歌の時間」を設けることにする。
通訳のお仕事以外にコンサート活動をしているそのさん、
大学時代にコーラス部だった、歩人さん、走さんにお願いをする。
コロナが心配なので、開会の時点で、食事以外はマスクをお願いすることにした。

歌の選曲はお任せといったのだが、途中でダメ出しをして申し訳ないことになってしまった。(反省!)
そのさんに相談して、老人ホームで歌う曲四曲をえらんでもらう。
そこから男性陣に二曲選んでもらった。「この広い野原いっぱい」「明日がある」に決定。
これなら私でも歌えるのでほっとする。
会場では、機械とネットに強い積さんと、そのさんの夫さんの編集で、
音響も上々で、良き気分転換になったと思う。

                                                  230625 15周年記念大会写真(6) 合唱

 当日の受付は、頼りになるイベントOB遊妹さんにお願いをしておいた。
開会時間過ぎまでしっかりと、会費を集めてくださりとても助かった。
今回はお役目のある方を除いて席は籤引きとした。籤にひなこさんがシールを張って
シールが張られた人だけ、手持ちの手ぬぐいを寄付。
この手ぬぐいがなかなかおしゃれで私も、岡田美術館の鴉と月の素敵な手ぬぐいをゲット。
お食事は期待以上で、お酒も種類が多く安心した。
 
句会は時間が少ない中でも、なるべく多くの方に講評をしてもらいたいと思った。
ホテルにお願いをして、十四時から十五分早く、テーブルを片付けてもらうことにする。
司会のあやしさん、披講のれいさん名乗りのみづきさん用に、
積さんが主宰、選者、一般用と披講表を作成してくれて大いに助かった。
                                            230625 15周年記念大会写真(5) 句会の様子


食事のテーブルのままでの句会だったので、マイク移動もあるし、
途中時間通りに行くか心配だったが、句会もお三方のお力で、
予定どおりに歌コーナーもとれた。指導者の美しいハーモニーに感嘆!
走さんは前日、血圧が下30,上50という体調で動き回ってくださり、心配だったが、、、、何とかセーフ。
 
最後の撮影タイムも千砂さんの本領発揮のアドバイスで、てきぱきと進み閉会となった。
一番の心配は予定の時間どおりに進むかであったが、皆様のご協力で終了。

私は思いがけず、先生が下さった短冊が私の好きな「かなぶん」の句で、
ヨタつきながらも幸せ気分で終了した。
 
閉会後のイベントの反省会では、主宰以外は、皆さん平等に
三句出し三句選句がいいのではなかったかという意見が出た。

美味しかった、楽しかった、くじ引きの席が楽しかったと
参加者の方々より、嬉しいご意見が頂けた。
今後のために、辛口意見もお待ちしています。

230625 15周年記念大会写真(7) 集合写真

皆様のご参加とご協力により無事に閉会となり、深謝深謝です。
斐霞さん、お祝い有難うございました。

15周年句会特選句
    
 緑蔭や風つつむごと子を抱き      三森梢

     聖五月ピアノに映るピアニスト      永井詩

     田の主に叱られながら鯰とり       土屋良夫

     着地点目指す気球や麦の秋       岩原真咲

     下校する子等の拝礼青楓         鈴木ちひろ

                         (写真は積さんの提供です。)



第1回俳句トーナメントの報告です。

       第1回俳句トーナメント        臼井 走

今回は司会を務めさせて頂いたので、。
進行面からの感想にはなりますがご報告させて頂きます。

                   全体


先ずは私自身を含めディベートへの理解が低かったこと、
冒頭に明確な流れを皆様に提示できなかったことへの反省があります。
燐さんのご意見は的確で、質問しなければわからない句は
その時点で負け。という認識を参加者全員が当たり前に持っておく
必要がありました。
白黒つける場、限られた時間でディベートする事への真剣さ。
チームで戦う上でのディベートへの関わり方を考えればご指摘の通り、
自句自解の必要性はありません。

その後の時間は公平に(とはいえ後半は両者時間切れまで
白熱する事もりませんでしたが)両者が十分に発言できたのは
良かったです。参加者の方々のルールの理解は早く,スムーズに
進行できたことは進行役として感謝の一言でした。

                             判定


そんな中でしたが、俳句対抗戦という非日常による実践の成果には
大きなものがありました。
この場合に、兼題はかなり重要な要素となり「牡丹」「青嵐」「炎昼」「更衣」
などの季題は白熱した勝負を呼び起こす意義深いものになりました。
ディベートの後の審査員の決着は清々しくもあり、意外性もあり、
含めて納得のいくものでした。
赤、白、白、赤、赤など呼び上げるまでもなく、あがった旗の色が決着を
付けてくれる分かりやすさも普段味わえない魅力になりました。
一方で「夕立」に題を付けざるを得ない現代性は、戦う両者が同じく抱えた
課題であり今を詠む俳句の進行性、非安定性を考えるうえで
参考となる対戦となりました。

審査員の方からもディベートの採点まで至らなかったこと、
事前に採点基準を審査員内で持つべきだった事
等の反省点を伺っております。
見学者の皆さんにも初めての体験を共有頂き、臨場感溢れる経験を
積んで頂きました。
総じて成功裏に終わった盛会であったと思われます。

                厳冬


最後になりますが赤と白を明確にし、ビジュアルで分かりやすく
両句を披露する技術は積さんに感謝です。
他方参加者を募り、見学者を招集し、一品を持ち込んで頂く等前段階の全てを
手配頂いた詩さんひなこさん。唯々それに乗っかっていただけの私でしたが、
イベントチームの結束力の賜物でした。
                                             先生


そして今回、普段の俳句に非日常性と緊張感を与えてくれた甲子園。
主宰の発案に唯々感謝であります。


関山さんが、6月号の主宰の句を鑑賞してくださいました。


    「都市」令和五年六月 中西夕紀句鑑賞    関山恵一 
  
                                               さくら

  朝獲れの白魚炊きてさくら色

 白魚の旬は春、作者のお住まいは町田であるから小田急線一本で江の島行ける。
江の島には多くの白魚料理店がる。
おそらく紅梅煮であろう。真っ白な白魚が梅肉で美しい桜色に染まり、春そのものの料理。
江の島で春を見。春をいただいている作者お似合いである。

   土に還りし仏等が咲く菫かな

 「すみれの花咲くころ。はじめて君を知りぬ」と宝塚歌劇団の唄を思い浮かべる。
華やかに咲く菫を「土に還った仏たちが菫となって咲いている]と見た作者のメルヘン。

                                 地蔵


  新刊書開かず古りて鳥雲に
 
作者の手元には毎月さまざまな句誌・句集・俳句関係の本が届くことであろう。
それぞれに目を通し、必要な句は鑑賞を作者に書き送る。そんなことで忙しくしている書店で
目に付いて求めた新刊書が手つかずのまま書棚に。主宰者ならではの苦悩。

   赤貝に長き紐あり灘の酒
 

 赤貝の紐は寿司ネタとして貴重なものである。身を包んだ紐は意外に長く、
コロコロとした食感がたまらない。餅欄、灘の生一本はきっちりと冷したものが良い。
赤貝の紐を肴に冷酒を酌む作者は何を考えているのだろう。

 ennma.jpg


   桐植うや二度と来たらぬわが生に
 
 昔は家に女の子が生まれると庭に桐の木を植え、その子が成人になるときにその桐の木で
箪笥を作り嫁入りの準備をしたものである。そんな日が来るまでとても生きていく自信はない。
もちろん、今は自分の家の桐の木で箪笥を作る事はしていないが。
それでもこうした習慣は日本独特のもので素晴らしいと思